Illustratorで、JRと私鉄の路線図を描く方法を解説していきたいと思います。
なお、Illustratorの操作方法がわからない方は、以下の記事を参考にしてみてください。
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Illustratorのツールパネル一覧の個々の意味と使い方などを解説。
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目次
JRと私鉄を描くルール
皆さんは、JRと私鉄をイラストで描く際に、実はルールがあるのをご存知でしたでしょうか?
私は、このデザイン制作業に入るまで全く知りませんでした。
JRを表示する場合は、以下のような縞模様になります。
私鉄を示す場合は、以下のような柵模様になります。
ですので、デザイン制作するのであれば、その事は大前提として知っておくべき知識だと言えるでしょう。
JRと私鉄とは?
それでは、JRと私鉄の違いとはなんでしょうか?
私鉄とは、ざっくり言うと、JR以外の路線の事を指します。
地下鉄(今はメトロと呼ばれますが)や関西地方の近鉄、南海電車なんかがそれらに該当します。
逆にJRとは、「Japan Railway」の略になり、japanすなわち国が管理する鉄道(国鉄)からの由来になりますが、現在は民営化され、法人経営になっていますので、私鉄と本質的には同じになります。
しかし、一般的な私鉄とJRは区別されている感じがありますね。
実際のところ
では、以上の事を理解した上で、私の実際の制作経験から路線図の描き方について意見を申し上げますと、JRと私鉄を描くルールに則って路線図を作成する必要性は全くないと思います。
実際のところ、「JR 私鉄 路線図」などと画像検索してもわかりますように、私鉄とJRがそのルールに則って示されている地図は、今や非常に少ないと言えるでしょう。
ですので、下手に初心者が「私は、JRと私鉄の違いを知ってるんだぜ」と、自身たっぷりにデザイン制作するのはあまりおすすめできません。
上記の事は、あくまで知識として知っておくだけで十分です。
では、路線図はどのように表示すれば正解なのか?
それは、「いかにわかりやすく、かつお洒落に表示する事」を最大限に意識すべきだと思います。
デザインとは、「情報の整理・伝達」です。この基本を忘れずにいましょう。
いくらルールに則って作成しても、そのルールを私も知らなかったように、知らない人は知らないですからね。いかに相手に伝えるかが大事だという事です。
ついでに言うと、私鉄の柵模様は、どうしても可愛く見えませんので、その点もふまえてもやはり採用はしなくて良いと思います。
もし、腕の立つデザイナーが路線図を書くのなら、ほとんどの方がこのイラストルールに沿って描かないと思います。
注意点
ただし、1点だけ注意しておきましょう。
「ルールは知っておくだけで、守らなくても良い。デザイナーとして、いかにわかりやすくかつお洒落に表現できるかを重視すべきだ」と言いましたが、上記のイラストルールを、逆で表現しては絶対にダメです。
JRを線一本で表現してもクレームにはなりませんが、私鉄の柵模様で表現してしまうと赤っ恥のクレームになります。
その点は重々理解しておきましょう。
Illustratorでの作成方法
という訳で、前段階の知識も入ったところで、念の為にIllustratorでの作成方法も紹介しておきます。
JRの路線図作成方法
それでは、JRの方から作成していきます。
線路は直進するだけではありませんので、「ペンツール」で作成するのがいいかも知れません。
もちろん直線だけで完結するのであれば、「直線ツール」の方が手っ取り早いと思います。
線を用意します。「塗り」はなし、色が黒の「線」のみにしましょう。
路線図のなんとなくの太さにしておきましょう。
その線を「選択ツール」で選択し、command+[ c ]→ command+[ f ] で、前面の同じ位置に複製します。
上にあるコピーされた線を再度選択し、線の色を「白」に、そして太さを0.5倍くらいの大きさにします。
さらに、線パネルにある線幅の形状は「線端なし」にし、「破線」をクリックした上で、なんとなくそれっぽい感覚に調整すればOKです。
最後に、今後ずれるのもよくないので、元の黒線とグループ化しておけばいいでしょう。
私鉄の作成方法
それでは、私鉄の方も作成をしていきたいと思います。
JR同様に、黒色の線をJRよりも細めの線で用意しておきましょう。
JR同様に、その線を「選択ツール」で選択し、command+[ c ]→ command+[ f ] で前面の同じ位置に複製します。
上にあるコピーされた線を再度選択し、線を3.5倍くらいになるように太くし、さらに、「線パネル」にある線幅の形状を「線端なし」にし、「破線」をクリックした上で、なんとなくそれっぽい感覚に調整すればOKです。
こちらも、今後ずれるのもよくないので、元の黒線とグループ化しておけば完成です
修正方法
上記の方法で作成路線図を、拡大・縮小(延長したり、短く)する際に、「拡大・縮小ツール」を使ってはいけません。
「拡大・縮小ツール」で操作してしまうと、設定によっては、せっかくとった線幅や破線のバランスが崩れて再調整となり、2度手間になります。
修正する際は、ダイレクト選択ツールで、ぐるっとグループ化されている端のアンカーポイントを2点同時に選択してから、マウスやカーソル操作にて伸ばしたり・縮めたりするようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
IllustratorでJRと私鉄の路線図を描く方法を解説していきました。
しかし、解説してきたように、これらの知識はデザイナーとして知っておくべき知識ではありますが、守るべきルールではないように思います。
ですので、デザイナーとして高みを目指すのであれば、線路図を描くルールを遵守するよりも、いかにわかりやすく、お洒落に表現できるかに重点を置きましょう。
デザインは、「情報の整理・伝達」です。その事を改めて認識しながら、「わかればいい」と相手に納得させる事のできるデザイナーを、ぜひ目指しましょう。